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サイト『画廊「くびわの姫たちと内なる日常」』は、二つの物語の「情景」を描き綴り「展示」する隠れ家画廊サイトと定義しております。
此処では世界観と登場人物についての説明を致します。
彼女と彼の情景
ここに登場する二人は、誰かに語ることを憚られるほどの秘めた願望を、それぞれ胸の内に抱えて日々を過ごしてます。
彼女は、
ペットの子犬として可愛がられる愛され方を望んでいます。
それは思考を放棄して誰かに所有されたいわけでも、隷属を受け入れたいわけでもないのです。
互いを尊重し、互いの我儘を受け入れ合える関係の中で、心の赴くままに生きたいという願い。
彼は、
少年期に目にした些細な体験をきっかけに、「愛玩されることを望む女性」と出逢い、その人を可愛がりたいという想いを長いあいだ現実とは切り離した妄想として抱えてきました。
その想いを絵として描き続けることで、日常をやり過ごしているのです。
現実でそんな想いが成就するとは、二人とも本気では考えてはいないでしょう。
けれど、奇跡的な偶然によって二人は出逢い、互いの秘めた願望を打ち明け合うことになります。
そうして、
望んだかたちで生きることができるのか、幸福を感じながら寄り添って日々を重ねていけるのかを試す、静かな日常を始めるのです。
彼女について
名前は「仔犬」。
常に自分自身を「仔犬」と呼称します。
職業は、WEBライター・作家。
ネット上に公開した願望小説『擬人化小動物 物語』が好評を博し、作家活動を始めたのです。
とある稲荷神社で時折アルバイト巫女として奉職もしてます。
境内にいるときだけは、人の特性を直感的に感じ取る感覚が冴えると本人は云います。
性格は基本的に天真爛漫。
小柄で少女のような外見ですが、実年齢は三十代前半。
彼と二人きりの時には、何も纏わない身体に首輪だけを着けて過ごします。
何も纏わない身体と首輪、それは彼女にとって「解放」と「選択」を象徴するものでなのです。

彼について
仔犬からは「飼い主さま」と呼ばれています。
これは仔犬がそう呼びたいと望んだためなのです。
どこにでもいる普通の中年男性。
サービス業に従事しながら、絵師として活動してます。
「愛玩畜化を望むわたしの彼女」をテーマに描き続けた作品をSNSで発表しているうちに、少しずつフォロワーが増えてきました。
仔犬の小説に挿絵を依頼されたことはありましたけど、実際に出逢うまでには、そこから二年ほどの時間が流れてます。
二人の関係性は対等であり、けれど主導権は自然と仔犬が握ることが多くなっている様です。
それについて彼が不満を感じることはない様です。
出逢いの舞台
二人が出逢うのは東京23区北部の、とある街に鎮座する稲荷神社、通称「お稲荷さま」。
いにしえより全国的な信仰を集め、由緒ある伝承も残る神社で、仔犬にとっては幼い頃から家族と共に通ってきた馴染みの場所です。
仔犬がアルバイト巫女として奉職する神社でもあります。
境内は意外と奥行があり、一般に解放されていながらあまり認知されていない「末社広場」があります。
仔犬は此処で、後に「仔狐」と呼ぶ女性とも出逢うことになるのです。
彼女と彼女の情景―仔狐について
仔狐
「お稲荷さま」の境内で出会ったから「仔狐ちゃん」と仔犬が呼ぶ女性。
仔狐は、無口というほどではありませんが、言葉数は多い人ではありません。
人に甘えることもあまりない彼女は何となく人を遠ざけてしまう雰囲気があるのでしょう、
孤独であることに無自覚なまま生きてきた女性でなのです。
自分では気にしていなかったその態度が、勤務先で「愛想がない」「冷たく感じる」という
利用者からのクレームとして告げられたことになります。
この出来事をきっかけに、人との接し方について初めて立ち止まって考えるようになります。
年齢は二十代半ば、職業は柔道整復師。
マッサージ等で人の身体に触れ、人と向き合う仕事に就きながら、自分自身の内側には距離感を抱えたままの日々。
そんな折、連日の奇妙な夢に導かれるように訪れた「お稲荷さま」で、仔犬と出逢うのです。
それは劇的な出来事ではありません、けれど仔狐にとっては自身の願望の芽吹きであり、孤立感を拭い去る運命的な出逢いとなります。
やがて二人は、
互いがペットであり、互いが飼い主として甘え合い、人ではなく小動物として睦み合う関係を選び誓うのです。
それが二人にとって、魂の解放へと至るかたちであると信じて。
