じゅもん  「彼女と彼女の情景」13

視界を狐面で塞がれ、全裸まま中庭に連れ出される仔狐。仔犬さん以外に誰に見られてしまう訳でもないと思っている。

でも仔犬さんは仔狐の耳元で妄想の物語を語り出す。それは仔狐にとっては魔術師の呪文のようなもの。

仔犬の語る妄想の自分、淫らな自分、恍惚に悶える自信を想像すれば、有りもしない情景さえ見える気がして。
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視界を遮る面を着けられ、手を引かれるまま従う、

少しの冷気を心地よく感じる、

きっと中庭、誰からも見られる心配はないと たかを括る。

でもきっと仔犬さんは意地悪する、

光の刺さない世界に仔犬さんの声が聴こえる、

仔犬さんが語る空想の物語、

私にとっては「じゅもん」、私の内の何かを押下する。

仔犬さんは本当に意地悪、私は何処に連れ出されたの。

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