

「もう少し、愛想良く頼むね」
院長先生は、そう言って話を切り上げた。
仕事も職場も、ようやく私にとって“なめらかな日常”になりつつある、そんな矢先だった。
「愛想がない」
「冷たく感じる」
利用者さんから私に対して寄せられた言葉らしい。
無自覚に、人を遠ざけているのだろうか。
思っていたよりも長く、その感触は心の片隅に居座り続けた。
それからの日常は、ほんの少し、ぎこちなくて・・・。
眠れない夜を過ごすほどではないけれど、
奇妙な夢を見た――そんな気がする。
夢・・・、わたしは、わたしに呟いていた。
「おいで。
仔犬さんのところに連れて行ってあげるから」
目が覚めれば、もう何も覚えていなかった。