ゴッホ おそらく女性にモテないであろう画家を義妹の手記で知る

ゴッホという人は、女性との接し方が上手だとか、モテたとか、恋愛関係に発展した女性がいたとか無さそうなイメージがあるのです。

我儘で身勝手な癖の強い性格で、常に家族の支援に甘えてる(特に弟)くせに、時にその家族に不平不満を訴え、心配させる。

金銭的にも、画家を目指してからは弟のスネをかじり続けるくらい貧乏だから、男性として魅力を感じる異性が現れることはないでしょうね。

オリーブ果樹園(部分)1889年 ワシントン・ナショナルギャラリー

でもゴッホが亡くなった後、芸術史に偉大な画家として名を残せたのは、ある二人の女性の”想い”のおかげなのでしょうね。

ゴッホの義理の妹、ヨー・ファン・ゴッホ=ボンゲルの手記でフィンセント・ファン・ゴッホの恋バナとか関わった(関わってこられちゃった)女性のお話を切り取ってみました。

  • この記事は現在書きかけです。

人生を崩壊させる程の失恋

小麦を背に立つ若い女性 1890年 
ワシントン・ナショナルギャラリー

1869年16歳に時、裕福な画商である、伯父のつてで画廊グーピル商会ハーグ支店に最年少の社員として入社します。

この頃のフェンセントは仕事熱心で、熱意に溢れ、誰からも好かれる好青年だったみたいです。

そんなフィンセントは、会社からも顧客からも大いに信頼され、仕事をあてがった愛情溢れる伯父も自分の後継者に、と考えるくらいに将来を有望視されていたそうです。

1873年ロンドン支店に転勤になりますが、変わらず仕事は順調で叔父のおかげで人脈は広がり、年収も上がります。

家賃の高さから、最初に住んでいたところから、娘と託児所を営む未亡人の家に引っ越します。

娘の名はウージェニ、フィンセントは恋に落ちます。

仕事は順調で愛しく想う人とも出会い、この母子と過ごした頃は生涯で最も幸せな日々だったのでは。

でも出会って約1年、想いを告ってみたら、ウージェニには婚約者がいることを知らされます。

フィンセントの前に下宿していた男なのだそうです。

婚約者と別れさせようと手を尽くしたそうですが(どんなことをしたんだろ)駄目だったそです。

朗らかだったフィンセントは寡黙で陰鬱な人へと変貌してしまったそうです。

叔父は気持ちを入れ替えさせようと、ロンドンからパリの支店へ異動させますが、以前のフィンセントに戻ることはなかったようで、グーピル商会を退職(・・・解雇かな)することになります。

親戚の未亡人へのストーカー的行為

薔薇 1890年 ワシントン・ナショナルギャラリー

画廊の社員だったときからスケッチをしていたフィンセント。仕事柄芸術が身近であり絵心はあったのでしょう。

グーピル商会を退職した頃には弟テオは画家になることを提案していたみたいです。

でも人の話に聞く耳持たないのがこの人の真骨頂です。

一度は落胆をさせた叔父の支援で書店に務めたものの、気乗りせず、教師、伝道師を目指しても家族親戚一丸となって支援をしても、大体本人の気性や特性が災いして何も上手くいきません。

常に人生に絶望する様な状況に陥れば神様も信じられなくなるでしょう。

結局画家を目指すことにするのです。

その頃には弟テオはグーピル商会で確固たる立場になっていて兄をこれまでよりも支援します。

絵の手解きを画家マウフェから受け、テオの紹介で画家の友人も出来たと少しばかり上向きな日々を過ごしていたところに運命の女性が現れます。

・・・と言ってもフィンセントだけが勝手に運命感じただけなのですが。

その年の夏、実家の牧師館で過ごしていた時の来客者にアムステルダムから従姉がやって来た。

4歳になる子供を連れた若く美しい未亡人に烈しい恋情を抱いたそうです。

元々子供好きではあるのですが、未亡人の子供の面倒をよくみたのは下心あってのことでしょう。

そして告って拒絶されます。

諦めきれず持ち前の粘り強さ(?)から、アムステルダムに帰ってしまった彼女に手紙を送り、返事がこないのは、自分と彼女の両方の両親が邪魔をしてるからだと激怒し、アムステルダムまで追いかけていきます。

ここまでやってしまえば、常に優しい親心で子供達を思っている両親ともギクシャクしてしまいます。

周囲との良好な人間関係さえぶち壊した元娼婦との同棲

キョウチクトウ 1888年 メトロポリタン美術館 http://www.metmuseum.org/art/collection/search/436530

またしても恋は実らず、孤独の中で絵の制作に没頭するしかない日々にイライラして家族との関係も不穏になれば、実家を出るしかないでしょうね。

飛び出していった先はハーグ。

出産間近で身寄りの無い哀れな元娼婦と出会い保護したそうです。

えっ・・・家族(弟)の支援に頼りきってるのにですか。

孤独感で一杯の気持ちを払拭したかったのでしょうけど、実際に同棲してみれば、品行方正とは縁遠い下品な女との生活は酷いもので借金まで背負わされたとか。

家庭を持つ夢想は粉微塵です。

さらに、この酒や葉巻に依存した阿婆擦れとの同棲は、これまでフィンセントに同情や理解を寄せていた人々を遠ざけることになり、ますます孤独になっていったようです。

女の方にしても実入りのない男と暮らしてもメリットはないでしょう。

間も無く女とその子供を置いて去っていきます。

癖強い性格の甘えん坊我儘男にも想いを寄せていた女性がいたみたい

アイリス 1890年 メトロポリタン美術館
http://www.metmuseum.org/art/collection/search/436528

帰って来た甘えん坊

元娼婦の阿婆擦れの元を去り旅に出たフィンセントは何一つ良い事なく、更なる窮乏と孤独を抱え、結局また両親のもとに戻ってきました。

この頃、両親の居る牧師館はフィンセントが従姉の未亡人に横恋慕の様な想いを抱いたあの村とは違う村に移っていました。

この新しい環境に長居するつもりもないのに2年ほど滞在した様です。

両親がこの気難しい甘ったれが居心地の良く過ごせる状況を作るのに、どれほど神経を注いだことか甘ったれの30男は知る由もないでしょう。

それなのに息子は家族や村人に対して、不平不満ばかり表明していた様です。

弟テオに宛てたこの頃の手紙にも理不尽極まりない文句ばかり。

「君は僕の絵を売ろうとしてくれてないじゃないか、妻ひとり連れて来てくれないし、仕事ひとつ獲って来てくれない」

お金はくれるけど、他に何一つくれないじゃん!!!!

・・・何ですかねこの人。

”俺にしあわせを与えてくれ!!”と叫び続ける日々の中で、母親が大腿骨骨折の重症を負って自宅に戻った時、フィンセントはとても熱心に献身的に看護を手伝ったそうです。

この出来事は家族間にあった緊張感を幾分和らげるとともに、村の人々との距離感を縮めることになったそうです。

それまでフィンセントは、村の人々に対していつも、よそよそしくしていたようです。

そうしたなかで一人の女性と仲良くなるようです。

ヌエネンの長老園の裏道 1884年 アムステルダム国立美術館

フィンセントを好きになったばかりに・・・

母のお見舞いに村の人々が牧師館を訪れるようになり、フィンセントは村の人々と、少しずつ打ち解けるようになったのですが、牧師館の隣に住む三姉妹の末娘とかなり仲良くなったのだそうです。

どんなところに惹かれたのか、彼女はこの気難しい脛齧りに恋情を抱くようになったそうですね。

フィンセントの方は彼女をどう思っていたのか、友情以上の感情があったのか、よくわからないようです。

でも二人は結婚しよう、ということになったのですが、彼女の家族は猛烈に反対し、何があったのか三姉妹の間で烈しい諍いが起きたのだとか。

この諍いは自殺を図るくらいに、彼女を精神的に追い詰めたのです。

自殺は未遂に終わるものの、酷く健康を害い入院します。

半年後、健康を回復した彼女が村に帰って来ましたけど、二人の関係が修復することはなく、多くの村人はフィンセントを嫌い牧師館に近寄らなくなってしまったみたいです。

ほんの少し間を置いた頃に父が亡くなり、家族の元を去り、アントワープに落ち着いた後、パリへ、弟の住まいに押しかけます。

義妹ヨーがゴッホについて手記をしたためたわけ

緑の小麦畑 1890年 ワシントン・ナショナルギャラリー

「どうしてあれほど人当たりが悪くなれるのでしょう」と母親がいうように、人付き合いは得意ではないフィンセントです。

それでなのか、あまり女性と幸せな時間を共有することができなかったみたいですね。

でも生前、晩年の頃ようやく注目され出したことを除けば、無名画家だったフィンセント・ファン・ゴッホが、現在では西洋絵画の巨匠に名を連ねているのは二人の女性の想いがあったからでしょうね。

亡くなってから称賛されてもなと、ちょっとだけ思ってしまうのですが・・・。

女性のひとりはへレーネ・クレラー=ミュラー。

ゴッホが16歳でグーピル商会に勤め始めた年に生を受けた裕福な出自の女性ですが、ゴッホの生涯と交錯したことは、これっぽっちもないのです。

そんなへレーネが何故ゴッホ(の絵)に魅入られたのか、今一つわかりません。

美術館設立の夢の実現を目指し、オークションでゴッホ作品を爆買いしたことが、ゴッホ作品の評価額ををぐんと上げる結果になったのだとか。

もうひとりの女性がゴッホの義理の妹、ヨー・ファン・ゴッホ=ボンゲルですね。

手記「フィンセント・ファン・ゴッホの思い出」はゴッホ書簡集の冒頭に載せられた、義妹ヨーによって記されたものです。

この記事は途中です。

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